海外転職が初めてという方のために、必要なプロセス・進め方・準備したり考えたりすべき事などをまとめました。
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1. 初めての海外転職 よくある質問
Q.そもそも海外転職にはどのようなパターンがあるのか?「現地採用」と「駐在」の違いはどこにあるのか?
A.それぞれの違いや特徴についてまとめた記事が、こちらです。
海外転職に必要なスキルとは~現地採用/駐在などパターン別で解説~
Q. 海外転職エージェントをどう活用すると良いのか?利用のメリットは?
A. 転職活動そのものが初めてという方もいらっしゃるでしょう。「転職サイト」と「転職エージェント」の違いを解説しつつ、活用のポイントについてまとめている記事が、こちらです。
海外転職エージェントの賢い使い方
2. 転職活動プロセス・時間軸
「海外転職エージェント」を活用して、もしくは自力にて転職活動を行い、日本から当該国に渡航して勤務を開始する場合の基本的プロセスがこちらです。各期間は概ねの目安であり個別状況によって異なりますが、合計すると3カ月から半年間にも及ぶ壮大なプロジェクトであることがご理解頂けると思います。
① 事前準備・リサーチ・書類作成(約2~4週間)
➁ 応募・面接(約4~5週間)
③ 内定・ビザ申請(約4~8週間)
④ 退職プロセス・渡航準備(約4~6週間)
➄ 渡航(隔離 0~3週間)・入社
3.事前準備(自己分析・キャリアの棚卸)・書類作成・リサーチ
海外転職と一口に言っても、その背景・目的はさまざまです。
学生時代にバックパッカーや留学を経験して、いつか海外で働いてみたいという憧れをお持ちのケース。
プライベートで出会ったパートナーが外国籍の方であり、パートナー・配偶者の母国に移住することになったケース。
配偶者が現職の駐在員として海外赴任することになり、一緒に同行することになったケース。
状況によって前提条件や転職目的も変わってきますし、情報収集の範囲も異なってきます。
共通する事前準備・書類作成
これまでの就業経験を棚卸したうえで、具体的に整理・分析して、自らの職務経歴書を作成しましょう。英語力を一定以上お持ちの方は、いきなり英文CVの作成から入っても大丈夫です。そこまで得意ではないという方は、まず、日本語で過去の経験をまとめ、それを適切な英語表現に置き換えていきましょう。
CV(英文職務経歴書)は、ご自身をアピールするための重要なプレゼンツールであり、一方の採用企業側からすると採用合否の判定基準となる重要な書類です。加えて海外転職においては、就労ビザ申請が必要な方にとって、選考時の利用だけでなくビザ申請用の基礎書類にもなります。
世界の多くの国が自国民の雇用を最優先事項とみなしています。外国人として海外で働く事を想定した場合、雇用元となる企業においては「あえて海外から人を採らなければいけない」理由が必要になります。そのため、ビザ申請時の説明論拠としてCV情報、つまり過去の就業経験や資格、言語能力、学歴などが用いられるわけです。
パートナービザや配偶者ビザで働く予定の方は少々事情が異なりますが、そうしたビザを持たず就業をお考えの方にとっては、正しく理解しておくべき前提となります。
事前に取得可能なビザを持たず海外就業にトライされる方
まずは、どの国・地域において、ご自身が挑戦可能な機会が多く発生しそうなのか?もしくは、ご自身がぜひ挑戦したいと考える国で働くためには、どういった経験・能力・背景が求められるのか?この点のリサーチが必要です。むろん、世の中には例外(多くは幸運なケース)が存在しますし、その可能性が否定されることは有りませんが、海外転職は先に述べた通り大きな労力を要するプロジェクトになります。実現可能性を検討する作業は、無駄にはなりません。
JAC Recruitment には、ジャパンデスクというファンクションがあります。複数の国に対して自らの可能性を検討したいという方は、ぜひ一度ご登録いただき、カウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。その後、ご希望に応じて、ジャパンデスク担当者からJAC Recruitment の海外拠点につなぐ事も可能です。
【ジャパンデスクのWebサイトはこちら】
外国籍の配偶者の母国に移住される方
当該国に籍を置く「転職エージェント」に登録し、ダイレクトにマーケット情報を得る事をお勧めします。登録面談の中で、ご希望に応じて現在のマーケットで紹介可能な求人情報を得られるはずです。物価の違いもあり、当該国における自分の適正年収が良く分からないという方も多いでしょうが、当該地のコンサルタントがマーケット水準を解説してくれるはずです。
日本での年収はあくまでも参考指標で、円換算しての同額が現地保証されるわけではありません。各国ではその国の物価水準に応じた給与レンジでのオファー提示となるのが一般的です。
駐在員の配偶者に同行される方
まずは、配偶者の駐在帯同者に対する社内規定を確認してみましょう。企業によって、もしくは、赴任先の国によっては、配偶者の就労が禁止となっている場合もあります。その点がクリアであれば、基本的には上記、外国籍の配偶者の母国移住と同様のプロセスをお勧めします。
ひとつ重要な留意点として、一般的には、駐在員配偶者同行のケースでは、応募可能な求人が、もしくは応募後面接に呼ばれる機会が限定的になる事が多いという事実があります。採用企業側(特に日系企業の多く)は、良い方を採用して長く働いて欲しいと考えています。しかしながら、当該候補者が駐在員同行ステータスとなると、「もしかしたら直ぐに日本に呼び戻されるのではないか?」「別の国に異動になるのではないか?」という心理が働きます。よほどの特殊スキルや経験がある方を除き、応募自体が狭き門となる傾向は有ります。
海外で働く、という経験を重視される場合は機会を広めに検討されることをお勧めします。
リサーチ
事前リサーチに際しては、インターネットで情報を収集する、周囲に経験者がいれば話を聞いてみる、といった手段はもちろん、「海外転職エージェント」に話を聞いてみる、「海外転職エージェント」がしばしば主催している海外転職ウェビナーなどに参加してみるのもおススメです。
動画で学ぶ最新就職事情はこちら
リサーチという文脈からは少し外れますが、「海外転職」の場合、家族から強く反対される方も少なからずいらっしゃいます。自らの海外への意思を事前に伝えて、気持ちよく応援してもらえる状況を作ることも準備段階で必要なステップです。
JACのコンサルタントは、転職支援に加え、内定確定後のサポートも行っております。
転職をご検討中の方は、新規ご登録のうえ、ぜひご相談ください。
4.応募・選考
応募
「海外転職エージェント」に登録された方で、具体的な求人紹介があった場合はぜひ前向きに検討してみてください。
前述したとおり、海外の転職マーケットにおいては、その国に既にいる人(現地国籍の方、日本人であっても既に在住している方)が優先的に選考過程に入っていきます。スキル・経験的には、充分挑戦可能な求人があっても就労可能なビザを持っていないという理由で応募不可というポジションは珍しくありません。むしろ、そうした条件の方が多かったりします。
複数ある希望条件のうち、どの点は譲れないのか?どの点は妥協できるのか?という判断が、応募の際に決定的に重要な意味を持ちます。日本国内転職マーケットと比べ、明らかに日本人向けの求人が少ない海外転職マーケットの場合は、一件の求人の重みが異なります。「やっぱり受けておけばよかった…」と後悔することのないように、コンサルタントと相談の上、自らの判断基準を決めておきましょう。
面接
「海外転職エージェント」をご利用の場合、コンサルタントには、自分がその企業・ポジションに対して抱いている印象、どこに興味を持ったのか、自分が活かせると考える過去の経験はどこと考えているか、という事も伝えておけるとベストです。自分に代わって、採用企業に対してそれら情報をアピールしてもらい、書類選考通過の可能性をアップさせましょう。
面接依頼が届いた際には、面接が日本語で行われるのか?英語で実施されるのか?こちらも押えておきましょう。「海外転職エージェント」経由での設定であれば、企業側に確認してもらえます。
英語面接に慣れていない方は特に、よく聞かれる質問に対しては、事前に情報を整理しておくだけでなく、英語でスムーズに答えられるように、一度文章を作成して声に出して読んでみることが大切です。併せて、企業に対する質問内容も複数用意しておけると良いでしょう。
海外で働く際には、英語での社内外を問わず、英語でのコミュニケーションが非常に多くなります。仮に文法が間違っていても、臆せずオープンに話せる人かどうか?前向きな姿勢が伝わるか?この辺りが合否のポイントになる事がしばしばあります。充分な時間を割いて準備したうえで、本番に臨み、ぜひ可能な限り自らのアピールしてみましょう。
海外転職の場合、現在は多くの企業がオンラインインタビューを採用しています。オンライン面接であっても、顔を合わせての面接と同様、身だしなみ(ビジネスに適した服装)やマナーに注意が必要です。
オンライン面接を効果的にする5つの方法。スマホ対応時の注意事項も
5. 内定・ビザ申請
内定
面接でのパフォーマンスが評価された結果、無事に内定に至った際にはオファーレターの条件をしっかりと確認しましょう。「海外転職エージェント」を利用せず、自力で受けたケースにおいて、稀にですが、渡航したにもかかわらず就労ビザ発行のサポートをもらえず、結果的に不法就労の形式となり非常に不安な思いをしたという話を耳にします。配偶者ビザなどを取得している方でなければ、処遇条件確認の一環として、ビザを誰がどう申請するのか、必ず確認するようにしましょう。
ビザ申請
就労ビザ申請が正しく行われても、その国の状況や申請内容によってはリジェクト(認可されない)ケースも発生します。しばしば、内定受諾後すぐに現職に退職意向を申し出る方がいらっしゃいますが、可能な限り、ビザ申請が本当に完了して認可されるのかを確認してから、次の退職プロセスに移るようにすることをお勧めします。
6. 退職プロセス・渡航準備
通常、現在の職場での退職手続きや引継ぎなどは、渡航に向けた準備と同時並行して行われることになります。向かう国によっては、特定の予防接種なども必要になるかもしれません。物理的にも精神的にもバタバタとした時間になります。計画をしっかり立てて臨みましょう。退職プロセスについての詳しい記事がこちらにありますので、ぜひご参照ください。
海外転職に向けた円満退職 ~退職届の書き方・出し方も解説~
7. 渡航(隔離)・入社
渡航時の隔離対応が必要な国の場合、(企業によっては、リモートで勤務開始というケースも昨今増えてきましたが)一般的には隔離を経てからの入社となります。
海外で働くのが初めての方にとっては、入社後、いろいろと不安に思う事もあるかもしれません。「海外転職エージェント」を利用された場合は、職場環境に慣れて落ち着いて勤務できるようになるまでの間、現職に対して何か不明なことがあれば、(そもそもこんなことを会社に質問しても良いのだろうか?という疑問点を含め)お気軽に担当コンサルタントに遠慮なくお尋ねください。