Xin Chào!(シン・チャオ)JACリクルートメント ベトナムです。
コロナウイルスの影響もなくなり、日常を取り戻しつつあるベトナム。長期間の抑圧の反動需要なのか、各業界において採用活動が活発化しており、求人数は増えてきています。
このブログではベトナムの概況と特に活発な製造・IT・建設業界の採用動向、そして今後の展望について解説します。
|
ベトナムの概況
2022年9月までのベトナムにおける新規設立企業は前年比31%増、事業の再開は56.1% (※) となっており、企業活動の勢いはコロナ前と同等かそれ以上の基調へ回復しています。
入国の規制緩和
東南アジア圏では、コロナを原因とする入国規制の緩和は日本よりも早く実施されています。ベトナムにおいても、2022年6月には入国時のPCR検査が不要となり、各企業においても出張者の往来が活発化していました。2022年9月、日本においても入国前PCR検査が不要となったこともあり、日本との往来も増え、出張者のみならず旅行者を街中で目にする機会も増えてきました。
2022年11月現在、マスク使用必須エリアは限定的となり、マスク着用は基本的に不要となっています。
求人数の推移
経済状況が再び活発化するにしたがって、増員・欠員補充を一旦見合わせていた企業が採用活動を再開したこともあり、上期(特にテト明け以降)は多くのリバウンド求人需要が発生しました。下半期に入り反動需要は少々落ち着いた印象を受けていますが、ベトナム進出に関連した求人オーダーについては引き続き一定量が存在しています。日本からの投資のみならず、他の東南アジア圏(シンガポール、タイ、など)からの投資も多く、新規進出先としての魅力が依然高い国であることが再確認されました。
求人の内容
特徴的な傾向は、コロナ禍に、経営の現地化を強いられた企業において、経営現地化を進めるためのコアとなるハイレイヤーポジションでの採用ニーズが増えた事があげられます。事業運営への影響が大きなポジションのため、バジェットを増やしつつ、採用コストをさらにかけてでも優秀な方(ナショナルスタッフ、日本語スピーカーのいずれも)を採用しようとする企業が複数みられました。
※統計総局GSO発表 https://www.gso.gov.vn/en/homepage/
ベトナムの製造業の採用動向
2021年のロックダウンの際には操業に大きな影響を受け、採用ストップ、駐在員の帰任が相次ぎましたが、2022年のアフターコロナの状況下では、減少した人員の補充に積極的な企業が増えています。製 造業については伝統的に、人件費をはじめとするコストの観点から、ベトナムに工場を設立しようとする企業が多いマーケットです。近年では、そういった観点の企業に加えて、1億に迫る国内人口を抱えるアジア有数の市場をにらみ、消費地と近接させた生産を見越しての新規進出が増加しています。
直近では、依然、非常に厳しく運用されている中国のコロナ対策や、アメリカとのデカップリングリスクに伴う調達、製造リスクを回避するためのサプライチェーン構築の観点から、中国からベトナムへの工場移転を検討している企業も現れてきており、例年以上に採用ニーズが高まっている印象です。
求人の職種の傾向
日本クオリティの品質を担保するため、品質管理や生産技術の採用ニーズが高い傾向です。また駐在員が帰任したタイミングで現地化を進めるために、工場長クラスの募集を検討される企業も例年よりも増えてきています。技術・経験が重視されるためミドルからシニアまで転職の可能性は広がっている業界です。
ベトナムのIT業界の採用動向
ベトナムは国としてIT教育に早くから注力していたこともあり、IT人材のレベルが高いことで有名です。加えて、以前は人件費が安かったため、開発をベトナムで行うオフショア開発企業が多く進出しています。そうした背景から、コーダーやプログラマーのポジション募集で日本人が求められる事は多くないです。
一方、発注元である日本の顧客や本社とのやり取り、スケジュール通りに開発を進めていくプロジェクト管理の能力に期待して、ブリッジSEやプロジェクトマネージャーポジションの募集が多い傾向があります。
また、ベトナムのオフショア企業では、日本語話者が比較的多いため英語力に自信がない方でも海外勤務に挑戦できるチャンスがあるのが特徴となります。
ベトナム人エンジニアの給与水準は上昇
しかしながら昨今、ベトナム人エンジニアの給与水準は、以前と比べて大きく上昇してきました。特に、一定以上の経験を持つ中堅~シニアのエンジニアについては、完全な売り手市場が形成されており、自社の給与水準にフレキシビリティが持てない日系企業においては、採用に苦戦する状況もしばしばみられるようになりました。
トレンドはDXやセキュリティの専門知識
一方、純粋なオフショア開発だけでなく、まだ数は少ないですがブロックチェーン、AIなどを扱う企業も現れ始めています。また昨今のデジタルトランスフォーメーションの流れの中で、製造業をはじめとしてインハウスのSEチームを強化したい事業会社も増えています。DX推進、セキュリティなど、知見を持つ方がマーケットに少ない領域においては平均水準以上の給与支給も期待できます。競争と変化が非常に激しいため、その分チャンスも多い業界だと言えるでしょう。
ベトナムの建設業界の採用動向
コロナの影響もなくなり、止まっていたプロジェクトも動き始め、新規工事の案件も増える見込みとなっています。それを見越して、今、採用を検討する企業が増えてきました。特に施工管理ポジションの採用ニーズは高く、ベトナム人スタッフを上手くまとめ、工期通りに工事を進捗させられる人材が求められています。
設備エンジニアの採用ニーズは高水準
日本マーケット同様、非常に高い水準です。実務経験をお持ちの方に対しては、ベトナムの平均水準を大きく上回る給与が提示されるケースもあり、また日本では中途入社が難しい大手企業への転職も、より高い確率で可能な環境となっています。
プラント業界における採用活動は活発化
経済が急成長を続けているベトナムでは、恒常的に電力不足の懸念があります。そうした背景もあり、発電所建設プロジェクトやナチュラルリソース活用プロジェクトが増加しています。プラントの建設を開始するため、また送電・売電のために現地政府やベトナム国内の電力会社との交渉が必要となる場面が多いため、海外プロジェクトに携わった経験がある方の採用ニーズはより高まっています。
2023年のベトナムの採用市場の展望
短期的にはベトナムの人件費が日本を超えることはないと思われますが、それでもベトナムの賃金は上昇し続けており、長期的に物価水準も上がっていく見込みです。加えて、円安の影響で製造拠点を日本へ戻すことを検討する企業もあるようですが、今後円安が長期的に続くリスクを考慮し、外貨での収益を求めて海外事業の拡大や進出を検討する企業も増えることも予想されます。当地ベトナムにおいては、中間層の増加による国内マーケットの拡大が中長期的に期待されており、国内マーケットを想定した製造業や非製造業など広範囲の業界に渡って、今後も日系企業の進出は拡大していく見込みです。
全体の求人動向は例年通り
7月をピークに緩やかに翌年の旧正月に向かって求人数が減少していく例年通りの傾向が観察されており、ほぼコロナ前のペースになってきました。2023年の旧正月(テト)は1月21日から予定されていますが、旧正月明けとなる2023年2月には一気に求人数が増加する事が見込まれます。
もちろん、ベトナムでの転職をご検討されている方にとって、希望の機会に出会えるかどうかは「ご縁」です。ご自身に適した求人はまさに今、募集しており、来年の旧正月後にはすでに採用が終わってしまっている、というケースも十分にありえます。求人状況をタイムリーに確認するため、ご希望の求人が生じた際にすぐに動けるよう備えておくため、ベトナム転職をお考えの際には是非一度弊社へご相談いただけますと幸いです。
まとめ
今回は2022年のベトナムの業界動向や展望について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?記載の通りベトナムではコロナの影響はほぼ収まり、以前の日常が戻ってきました。高度成長期真っ只中とも言えるベトナムでの就業に、ご興味を持っていただけましたら幸いです。
求人紹介や転職サポートだけでなく、現地に住んでいるコンサルタントだからこそお話できるエピソードも沢山あります。海外転職で不安な事、気になる事等、何でも、いつでも、お気軽にご相談ください。
● ベトナムの最新情報をお知りになりたい方はぜひ気軽にお問合せください。
弊社問い合わせメール先:Vietnam@jac-recruitment.vn