新型コロナウイルスの蔓延により、在宅勤務やオンラインミーティングが浸透しました。 そして転職市場でも、オンラインツールによる面接が多く実施されるようになり、その便利さから、今後もオンライン面接は継続されるでしょう。
では、オンライン面接が定番となった今、どのようなマナーがあるのでしょうか。今回は、転職活動を成功させるためのオンライン面接のマナーと、オンライン面接を効果的にする5つの方法についてお伝えしていきます。
オンライン面接とは?
オンライン面接またはWeb面接とは、ご自身のパソコンやスマートフォンを使い、ネット経由で企業の面接官と面接することを指します。企業から指定された面接用URLにアクセスすれば、顔を見せながらリアルタイムで会話ができるので、対面の面接とさほど変わらない面接が実現します。
対面の面接との違い
対面面接と異なり、応募先企業への移動が無くなったことで、応募者にとっては日程調整がしやすくなりました。企業側にとっても、インターネットに繋ぐだけで面接ができるようになったことで、面接実施のハードルも低くなったと言えます。
一方、実際に会っているわけではないので、入社後のギャップがあるという事実は、往々にしてあるようです。
昨今は、PCでなくともスマホでもOK
最近では、タブレットとスマホは持っているけれども、PCは持っていないという方も多いのではないでしょうか。オンライン面接ではPCの方が通信の安定性があり、画面も大きく面接官の表情を読み取りやすかったりすることから、PCからの参加が好ましいです。
一方、スマホでも受験自体は可能です。ただし、通知音や着信が入らないように設定を変えたり、目線と同じ高さにスマホのカメラが来るようにと調整したりする必要はあります。またスマホの場合、画面は縦向きではなく横向きで使用するようにしましょう。そうすることで面接官の表情を少しでも大きく見えるようになるうえ、面接官からも候補者の方の顔が大きく表示されるようになるので、お互いに表情がよく見えるようになります。
ここからは、オンライン面接を効果的にする5つの方法をご紹介します。
①オンライン面接のマナー・事前準備
まずは環境、身なりなどにおいて、万全の準備をしておきましょう。
通信環境・ツール環境を整える
オンライン面接で最も重要なのがネットワーク環境の確保です。オンラインのビデオ面接はネット通信容量を多く使うため、安定したネット環境が不可欠です。通信環境が安定しているか、確認してみてください。
なお、万が一PCの調子がよくない場合は、お持ちのスマホ・タブレットでも面接に参加できるよう、準備しておくことをお勧めします。なおスマホ・タブレットの場合は、事前のアプリのダウンロードが必要なツールもありますので、事前にダウンロードして動作確認を行っておきましょう。
身なりを整える
対面面接のときと同様に清潔感のある身なりに整え、面接に臨んでください。オンライン面接では髪色が実際と異なって見えてしまうことがあり、カメラを通すと実際の色よりも明るく見えることもあります。業界や職種、応募先企業の方針によっては、髪色やメイクの見え方も評価に影響を及ぼします。事前にカメラを通した場合にはどのように見えるのか、確認しておくことをお勧めします。
服装についてですが、オンライン面接の場合も上下はスーツを着用して臨んでください。カメラでは上半身しか映らないことがほとんどですが、服装を整えることでご自身の集中力を高め、緊張感をもって面接に臨むことができます。
静かな環境でアクセスする
オンライン面接を受ける際は、カフェなど周りに人がいる環境での面接は避けてください。周りの雑音は面接の妨げになります。自宅の自室や、個室のあるコワーキングスペースなどで実施することをお勧めします。
背景に余計なものが映らないようにする
オンライン面接では、背景に何も映っていない状態が好ましいです。またソファやクッションなど、生活感が伝わってしまう背景も避けた方が無難です。
なおZoom、Teamsなどでは背景設定を変えることができます。背景をぼかしたり、風景写真を設定したりといった機能ですが、データ通信容量を多く使うため、ネット環境が不安定になることもあるようです。質疑応答を少しでもスムーズに行うべく、背景設定は変えずに、部屋の中でオンライン面接に好ましい場所を確保しておいたほうが無難です。
合わせて顔の明るさについてもチェックしてみてください。あまりにも暗いところにいると、面接官に顔の表情が伝わりません。また明るすぎても、逆に顔が光ってしまいます。
メモは手書きで行う。パソコン操作は極力控える
オンライン面接でもメモは手書きで取るようにしましょう。キーボード音が相手にも聞こえ雑音と捉えられてしまいます。
対面面接時と同様、筆記用具を用意しておくことをお勧めします。
一方、手書きでメモを取るときはどうしても目線が外れてしまいます。その分、大きく相槌を打ったり、メモを取りながらもカメラの方を見たりするようにしましょう。
スマホ・パソコンの通知は切っておく
オンライン面接中にスマホやパソコンの通知音が入ってしまわないよう、通知設定はオフにしておきましょう。
なお通知音や電話の着信音が突然鳴り出さないよう、通知をオフにして、面接に臨むようにしてください。万が一通知オフを忘れてしまい、面接中に音が鳴ってしまった場合はお詫びをし、すぐに通知音をオフにするようにしましょう。
時間に余裕を持って準備する
オンライン面接の場合、30分ほど前までには通信機器の設定を済ませておくと安心です。なお会議URLへの入場ですが、面接開始時刻の3~5分前に入場することが好ましいです。URLへの入場がされると面接官へ通知が行ってしまうこともあるため、30分以上前の早すぎる入場は控えましょう。
なお不具合などで入場ができない場合は、エージェントや採用担当者の方に連絡を入れる必要があります。いずれにしてもURLへの入場は開始時刻ギリギリではなく、多少余裕をもって入場をしておきましょう。
②オンライン面接で与える「印象」のコントロール
対面面接に比べて、表情の読み取りや声の聞き取りが不明瞭になりやすいオンライン面接ですが、面接官はどのような点をオンライン面接でチェックしているのか、どのような姿勢に好印象を抱くのか、ご紹介します。
好印象な方の傾向
カメラに目線を向けており、面接官と視線を合わせようとしながら話せている。
「私の声は問題なく聞こえますでしょうか」「画面ONにしておりますが、ビデオはスムーズにご覧になれますでしょうか」など、気遣いができている。
通信不具合が起きた場合、「通信回線を切り替えます」や「別のデバイスから入りなおしても良いでしょうか」など、問題に対して早急に解決しようとする姿勢がみられる。
豊かな表情で、相槌などのリアクションも取れている。
聞き取りやすい明瞭な発音で話せており、音量とスピードも適切である。
印象が悪い方の傾向
通信状況が悪く、会話が途切れ途切れになる。タイムラグが発生し、スムーズに話せないまま終わる。
不具合が起きても復旧措置を取ろうとしない。
カメラ以外に目線を向けており、面接官から見て視線が合わない。
ぼそぼそと、聞き取りづらい声で話す。笑顔がなく、表情が乏しい。
端的に分かりやすい話し方ができない。質問に対しての明確な答えがなく、何を言いたいのかわからない。
③オンライン面接で失敗しないための話し方
対面での面接とオンラインでの面接では、話し方において、何が異なるのでしょうか。オンラインならではの意外な落とし穴があるので、ぜひご一読ください。
ハキハキと丁寧に話す
使用機器の性能にもよりますが、オンライン面接は、対面面接に比べ声が不明瞭になることが多いです。
対面面接の時よりも口を大きく動かして、声のボリュームも大きく話すと良いでしょう。また話すスピードが速すぎても、聞き取りづらいですので、スピードに気を付けて、回答をするときは結論から簡潔に伝えるよう準備してみてください。
相槌、ジェスチャーは普段より大げさに
画面から表情を窺い知るのが難しいのもオンライン面接の特徴です。表情をつけ、反応を普段よりも大きく行うことを意識しましょう。相槌やジェスチャーも普段より多少大げさにすることで、面接官に伝わりやすくなります。
目線は画面ではなくカメラ
面接官の表情を見ようとすると、目線がPCスクリーンに行ってしまい、カメラから目線が外れてしまいます。少なくともご自身が話をするときは、スクリーンではなくカメラを見るようにしましょう。
ディスプレイにはメモは貼らない
質問に対して、用意しておいたメモを読んで回答することは控えましょう。面接官からは、候補者の目の動きなども実はよく見えており、「何か読んでいるな」と感じることは容易です。スラスラと言うことよりも、多少たどたどしくなってもご自身の言葉で回答した方が、熱意と思いは何倍も面接官に届きます。
なおディスプレイにメモを貼ったり、会議ツールの横にファイルを立ち上げたりとメモ代わりとすることもお勧めできません。会議用ツール画面が小さくなることで、面接官の表示も小さくなり、表情が読み取りづらくなってしまいます。履歴書、職務経歴書、英文レジュメなどはプリントアウトして手元に用意しておくようにし、PC画面上は面接ツールのみが表示されている状態にしましょう。
ライトで照らして明るい印象にする
光の加減によって、顔が暗く見えてしまうことがあります。室内の電気をつける、または近くにライトを用意するなどして、画面を通した際に顔がはっきり見えるように調整しましょう。
④オンライン面接中のポイント
面接開始前からPCの前に座ってカメラを見ているだけ・・・と思っていませんか?実は入室と退室には、オンライン面接ならではのマナーがあります。
入室時と挨拶のポイント
対面面接時と同様、冒頭では、名前と面接機会を頂いたお礼を述べるようにしましょう。
オンライン面談なので立ち上がる必要はありません。画面から消えてしまうので、過度なお辞儀も不要ですが、軽いお辞儀は、丁寧な印象を与えます。
自己PR時の表情のポイント
対面面接のとき以上にオンライン面接は表情や声色が伝わりづらいので、より明るい表情、はきはきとした声を意識して、自己PRをすると良いでしょう。表情を豊かに、自信をもってお話するようにしてください。
退室時のポイント
オンライン面接の場合、「ホストにより自動的に会議を終了する場合」と、退室を促されて、「ご自身で退室ボタンをクリックする場合」の2パターンがあります。
面接官が会議ホストになっているケースがほとんどのため「ホストにより自動的に会議が終了される場合」は、面接のお礼を述べ、お辞儀をして、会議が終わるのを待つと良いでしょう。
退室を促されて、「ご自身で退室ボタンをクリックする場合」は、退室直前に、再度「本日はありがとうございました。失礼いたします。」と挨拶をして、お辞儀をしたあとに、クリックをすると印象が良くなります。なおお辞儀と退室ボタンのクリックが同タイミングになってしまいますと、中途半端に退出した印象を与えてしまうため、お辞儀をして1~2秒ほど経ってからクリックするにしましょう。
⑤オンライン面接のトラブルと対処法は予め知っておくこと
オンライン面接中のトラブルはつきものです。だからこそ、冷静に対応できるように予め準備をしておきましょう。
オンライン面接でよく使用されるツール
今回はオンライン面接で主に使われている3つのツールを取り上げ、それぞれの特徴についてお伝えします。
1.オンラインツールの筆頭格”Zoom”
パソコン、スマホ・タブレットに専用アプリをダウンロードするだけで、無料で使用できるお手軽さから、世界中にユーザーが増えました。
※1 Zoom会議を運営する場合は、無料会員登録が必要。無料使用の場合は、最大2アカウントの参加であれば時間無制限で使用できます。しかし3アカウント以上の場合は、40分で終了となります。
2.コロナの影響を受けてユーザーが増えたオンラインツールの一つ” Teams”
業務で利用をしている方も多いのではないでしょうか。
Teamsでの面接をスマホ・タブレットで実施する場合は、専用アプリのダウンロードが必要です。
パソコンから参加の場合は、ブラウザを立ち上げるだけで使用できます。ソフトのダウンロードや会員登録は必要ないことから、Zoomの代わりに使用する企業も増えています。3名以上の参加があっても、時間制限なく使用できます。
※2 パソコンで使用する場合のブラウザ環境は、Teamsが推奨するバージョンとなっていることが求められます。
3. 会議作成も参加も簡単なGoogle Meet
Google Meetもオンライン面接でよく使用されるツールです。Teamsと同様、パソコンからはブラウザを立ち上げるだけで簡単に面接に参加することができます。
※3 パソコンで使用する場合のブラウザ環境は、Google Meetが推奨するバージョンとなっていることが求められます。
指定のアプリ・URLにアクセスできない
まれに指定のアプリやURLにアクセスできない場合があります。必ずアプリが無事に作動するか、URLは入場可能かを確認しておくようにしましょう。万が一不具合が解決できなかった場合は、面接用URLの再発行やツールの変更を依頼する必要があるので、エージェントや採用担当の方へ連絡するようにしてください。
カメラが起動しない・声が聞こえない
使用ツールを開いた際に、正常にカメラとマイクがONになるかを確認しましょう。もしONにならない場合、アプリ内の設定でカメラ・マイク機能がOFFになっているケース、またはデバイス設定でOFFになっているケースが考えられます。
画面が止まる・タイムラグがある
インターネット回線の強さ、使用機器の性能により、画面が止まったり、タイムラグが発生することがあります。あまりにも頻繁に止まるようであれば、ネットワークの強さを確認したり、スマートフォンのデザリングなど他の通信手段を用意しておきましょう。
通信が切れる
同じくインターネット回線や使用機器の性能により、通信に影響が出てしまうことがあります。いきなり面接用URLが切れてしまったら、再度の入場を試みましょう。ネットワークや通信機器を見直して、再度入り直すなどの対応が必要です。なお復旧が難しい場合は、エージェントや採用担当の方へ緊急連絡を入れるようにしてください。
まとめ
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